
「忘れてはいけない記憶 ― 風の電話 ―」
3月11日になると、思い出す場所があります。
岩手の丘の上にある「風の電話」です。
線はつながっていません。
それでも受話器を手に取る人が後を絶たないと聞きます。
そこでは、こんな声が風に向かって語られてきました。
ある父親は、
「お前がいなくなってから、家の時計が止まったみたいだ。でも、孫は元気に走り回ってるよ」と話したそうです。
ある女性は、
「あなたが好きだった海、今日は穏やかでしたよ」と静かに伝えたといいます。
子どもを亡くした母親は、
「寒くなかった? 怖くなかった?」と、何度も同じ言葉を繰り返したと聞きます。
どれも特別な言葉ではありません。
むしろ、あまりにも日常の言葉です。
だからこそ、胸に残ります。
人は亡くなっても、
言葉は消えないのだと思います。
言えなかった言葉、
伝えきれなかった想い。
それらは、どこかに行き場を探しているのかもしれません。
今日は3月11日。
それぞれの場所で、
それぞれの形で、
誰かにそっと語りかける一日なのだと思います。
忘れてはいけない記憶として。
風に乗って、誰かの言葉が届いていることを願っています。
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